心に働きかける資質の向上

 知識や技術と違い、教えれば身につくというものではない意識や感性。介護職員に求められる資質とは何か、一緒に考えていきましょう。

【第1回】介護職に求められる資質と、研修を阻む職場の課題

(2016.3.10配信)

 介護施設で何か問題が起こると、職員の資質向上の必要性が声高にあがります。その声に異論を唱える人はいないでしょう。しかし、資質とは何か、どうすれば資質向上ができるのかは、漠然としています。

 本連載では、資質とは何かを一緒に考えていきたいと思います。

 「資質」とは、辞書を引くと「持って生まれた性質や才能」とあります。
 しかし、何をもって資質があると言えるのか評価が分かりにくく、持って生まれたものをどうやって向上させるのかまったくもって検討がつかない・・という方が多いのではないでしょうか。

 介護職は対人援助職です。ただ手だけ動かせばいいだけではなく、「思いを込めて」行うことが求められます。それは誰もがわかっています。しかし、「思いを込める」というのはとてもファジーで明確な評価基準はありません。「思いやり」や「おもてなし」などと口にすることは簡単ですが、それをどうやって身につけさせるかはとても難しいことです。

 それらは本人の性格によるところが多く、研修で資質の向上をすることは難しいと考えられています。そのため、適正がある・ない、という言い方をして職員を選別します。経営陣からしたら、適正がある人を採用しようということになるのは、当然のことと言えます。これは介護事業に限らずどの業種でも同じです。

 しかしここで、人材不足という大きな問題があります。介護の職場は慢性的な人手不足になっています。適正がある人だけを選んで採用することが難しくなっています。そのため、資質向上のための研修が必要になってきているのです。

 仕事における「資質」は、感情や意識レベルのことと整理できます。介護では、心を伴わないと単なる業務になることが懸念されます。利用者への直接の介護サービス以外でも、他の職員との連携や家族やその他の関係者との関係性において、様々な場面で気遣いが求められます。

 そうした、業務を行ううえで大切な、基本的な取り組み姿勢を「資質」と呼ぶと考えられます。
 さらに、「資質の向上」というからには基本的な取り組み姿勢だけではなく、「業務遂行能力」や「問題解決能力」につなげていくことが期待されていると思われます。

 資質向上のための研修は、今後いろいろなところで行われていくと予想します。社内研修、自治体の研修、等々。しかし、介護事業には研修を阻む壁もあります。それは、職員がすれ違う変則的なシフト勤務、多職種連携のため不明確な指示系統、利用者個々の状態が異なるためサービスを画一化できないこと、そして介護保険制度という絶対ルールがあることなどです。

 そうした、介護事業ならではの壁も乗り越えつつ、職員の資質向上を可及的速やかに行わなければなりません。
本連載では、おおむね下記のような項目を毎回ひとつずつ丁寧に考えていきたいと思います。職場ではどのような研修を行ったらよいかなども工夫していきます。

《介護職員に求められる資質》

  • 仕事に取り組む意欲
  • 相手を気遣う配慮
  • 和を保つ協調性
  • 感情を制御する理性
  • 不快感を与えない接遇
  • 清潔感のある服装や所作
  • 規律を守る実直さ
  • 良識があり誠実な人柄
  • 偽りのない明快な言動
  • 福祉に携わる者としての誇り
  • 五感を大切にする感性

《職員の資質向上を阻む介護の職場の課題》

  • 職員同士がすれ違うシフト体制
  • 本人のコミュニケーション能力不足
  • 様々な職種が関り指示系統が不明確
  • 利用者・家族の意向が第一
  • 個々の状態に合わせた介護サービス
  • 介護保険制度という絶対ルールがある

 次回は、「仕事に取り組む意欲」をテーマに、職員を定着させる意欲向上について考えてみたいと思います。

【第2回】仕事に取り組む意欲

(2016.4.10配信)
キーワード:将来ビジョン

 デイサービスなどの介護事業所・施設では、大勢の介護職員が働いています。大勢いれば1人や2人はやる気がみられない職員もいるかもしれません。やる気がない職員がいると、他の職員にその分負担がかかるなどして、職場の雰囲気が悪くなる恐れがあります。

 経営者は、人材を採用する時に、にやる気があって能力がある、即戦力になる人を求めます。普通に考えれば当たり前のことですね。

 しかし、やる気も能力もある人を採用するためには、待遇をよくするなど経営者からしてみたら別の負担が発生します。そして、待遇にひかれて入職した人は案外離職も早いので、リスクも大きいと言えます。何しろ能力がある人ですから、転職しても仕事が見つかるだろうという自信があります。自分の力を発揮できる場を求めて、ダメだと思えばさっさと見切りをつけて飛び立ってしまうのです。

 やる気と能力を縦軸横軸にすると、おおよそ次のような4つのグループに分けられます。

(ア) やる気があって、能力も高い

(イ) やる気があるけど、能力が低い

(ウ) 能力が高いのに、やる気がな

(エ) やる気もないし、能力も低い

やる気と能力

 理想から言えば(ア)のグループになりますが、マネジメント能力が無い場合、その人の能力を十分に発揮させることはできません。そうすると、せっかく能力が高いのに、モチベーションは急降下です。そして、早々に離脱してしまう可能性が高くなります。

 やる気も能力もない(エ)の人は、周囲に余裕があるのなら長い目で支えてあげましょう。性格さえ良ければ、伸びしろは未知数です。良く言えばポテンシャルが高いゾーンです。

 (イ)については比較的簡単です。介護に関する技術や知識の研修を受けさせる。あるいは、OJTでしっかりと教育すればよいのです。今現在、技術や知識が無いことはそれほど問題ではないはずです。

 残るは(ウ)のグループです。介護に関する技術や知識はあるけれども、やる気がなくなってしまっているケースです。実は今、このグループが一番多いとみられています。

 国家資格である介護福祉士の有資格者数は、平成25年度9月末には1,183,979人という統計が出ています。(厚労省HPより)
 若干統計時期はずれますが、平成27年度の介護職員数は、常勤、非常勤合わせて170万人前後といわれていますので、単純計算では職員の半数以上の人が介護福祉士の有資格者ということになります。もちろん、資格はあっても就業していない人がいますので、単なる計算上はという話です。しかしながら、旧ヘルパー2級や3級、介護職員初任者研修修了者も含めれば、多くの人が介護に関する技術や知識を有しているといえます。むしろ全く何の研修も受けていない人のほうが少ないはずです。

 そのため、(イ)のやる気はあるのに能力がないグループよりも、(ウ)の能力は高いのにやる気がないグループの人数のほうが多いと推測します。

 では、どうやって意欲を高めるかですが、簡単なことではありません。モチベーションが下がっている理由は様々なのです。しかしながら、どのような理由であっても共通して言えることもあります。

 過去働いていた介護職場を辞めた理由について、勤務条件や健康問題以外では、

  • 法人・事業所の理念や運営のあり方に不満
  • 職場の人間関係
  • 専門性や能力を十分に発揮・向上できない職場・仕事だった
  • 将来の見込みが立たなかった

が上位に挙げられています。
((財)社会福祉振興・試験センター「平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」)

 いずれもマネジメント力不足が課題に見えます。中でも、理念・方針の不徹底は致命的ともいえます。目指すべき方向が不明確、または価値観が合わない場合、意欲がわかないのは当然のことです。経営陣がはっきりと方向性を示し、職員が共感して結束力が高まれば、辞めたいという心の揺らぎはなくなります。

 また職員個人の将来ビジョンも大切です。将来どうなりたいのか、そのために今は何をすべきかを明確に持つことが大事です。

 皆さんはどのような将来像を描いていますか。中期、長期で何か目標にしていることはありますか。資格を取る、ということも良いですが、その先にどういう働き方をしたいかが見えていないと、資格を取ったはいいけれど・・ということになってしまいます。

 では少しさかのぼって思い返してみましょう。介護職を志した動機はなんですか。
そこから将来像が見えてくるかもしれません。

  • ご家族の介護経験
  • 福祉の仕事へのあこがれ
  • 収入を得る手立てとして
  • 周囲の人に勧められたから
  • 学校が福祉関係だったから

 正直言って、特に介護を志したわけではないけれども、たまたま応募したら受かったから、などという人もいるかもしれません。それでも良いです。最初はどうでも、その過程で何か感じるものがあったらから続けているわけですよね。

 今、同じく介護職に携わっている周囲の人の顔を見てみてください。どういう方向に進もうか、少しずつ違っているはずです。

  • 本当に人と接することが好きで、生涯一介護職員として高齢者と触れ合いたい
  • 認知症などの専門分野を深く追求してみたい
  • 後輩に仕事を教えるのが上手で、将来的にはセミナー講師になりたい
  • マネジメントに興味を持ち、グループ企業の本部で力を発揮したい
  • 自分が考える理想の介護を目指し、いつかは自分で事業所を経営したい
  • 介護を通して得た高齢者の視点を、マーケティングに生かして商品開発をしてみたい
  • 高齢者介護だけではなく、障害や保育の分野も含めてトータルに福祉を考えたい

・・等など、いくつかの方向性が見えてきます。

 社内研修に役立つ、ワークショップを提案します。

 介護職に就いた動機、将来の目標(中期・長期)をシートに書き込み、介護職員に将来的にどういう活躍の道があるか、皆で話し合ってみてはいかがですか。

 そして、その目標に向かうには、どういうステップがあるか、今何をすべきかを考えてみましょう。目標がはっきりすると、今やっていることがそのためのステップだということが分かり、モチベーションがあがります。

 今すぐにはできないこと、課題が多くて実現には難しそうなこと、壁はたくさんあるかもしれません。目の前のことで精一杯で、将来のことなど考えられないという人もいるかもしれません。もしそういう人がいたら、その人をどうやって支えてあげられるかも話し合ってみましょう。

ワークショップ用記入シート(PDF) 

【第3回】相手を気遣う配慮

(2016.5.10配信)

キーワード:想像力とデリカシー

こんにちは。いつも生活相談員ネットワークのサイトをご覧いただき有難うございます。

今、お仕事の手を休めてご覧になっていますか。それともご自宅に戻ってゆっくりされているのでしょうか。
どのような場所で、どのような状況でご覧いただいているかを想像しながら、記事を書いています。

さて、介護はいわずもがな対人援助職です。心があり感情がある人間が相手ですから、常に表情や反応を見ながらの対応が求められます。

介護は手だけ動かせばいいというものではなく、ちょっとした心遣いが大切です。同じことやるにしても、介護職員の気持ちの入れようで、利用者は安心を感じることもあり不快に感じることもあります。
特に体を預ける身体介護は、利用者にしてみればとても不安な状況です。安心して任せられるかどうか、優しい声掛けやほんの少しの気遣いで違ってきます。

「優しさ」「思いやり」は、介護職員にもっとも求められる資質です。しかしながら、相手がどう受け取るかという問題があるため、案外難しいことでもあります。良かれと思ってやったことが相手には迷惑であったり、気遣いのつもりでやったことが逆効果であったりすることもゼロではありません。

そうした時は、利用者だけではなく職員自身も傷つきます。一生懸命やったことが報いられなかったり、否定されたりするのは、とても悲しいことなのです。

ここで注意しなくてはならないのは、「気遣いは独りよがりであってはならない」ということです。

  • 自分勝手な価値感を相手に押し付けていませんか。
  • 逆に、利用者さんに気を遣わせていませんか。
  • 相手の様子を伺い、反応を見て柔軟に対応を変えていますか。

ビジネス的な表現をすれば、必要なのは「顧客ニーズ」です。どんなに良い商品やサービスでもニーズがマッチしていないと売れません。

利用者が本当にそれを望んでいるのか、利用者の今の状態にそのサービスが合っているか、等々。時には、慣例的に行っていることでも、問題意識をもって見直しをすることが必要です。当たり前が、いつまでも当たり前とは限らないのです。

利用者ニーズとのミスマッチは、介護の技術や知識があれば起こさないということではありません。むしろ、理想が高く自分の技術や知識に自信があり、それを提供してあげたいという思いが強ければ強いほど陥りやすいとも言えます。

厳しい表現をするならば、介護の職場は職員の自己実現の場ではありません。あくまで利用者が主役です。利用者ニーズに合っているサービスが、最高のサービスです。もちろん命の危険に関わる場合は別です。認知症を患っているなど、必ずしも本人の判断が正しいとは言えない場合もあります。その時は、複数の職員で話し合い、偏りのない選択をするように心がけてください。

気遣いは、相手の心を思いやることです。ただし、過剰な気遣いは、デリカシーを欠くことにもなりますので注意しましょう。

では、相手の気持ちを正しく知るためにはどうしたらよいか考えてみましょう。

  • 寒いかな~暑いかな~
  • 痛くないかな~痒くないかな~
  • どんな気持ちかな~
  • どう思っているのかな~

まず一番簡単なのは、本人に尋ねてみることです。案外これをしないままに、勝手に推測してしまうことが多いのではないでしょうか。

  • 暑いか寒いかを温度計の数字だけで判断したり、職員の肌感覚で判断したり、いちいち聞く必要はないと思っていませんか。
  • 身体のどこかが痛ければ、訴えてくるだろうし、何も言わないのだから別に痛くも痒くもないのだろうと、変調を見過ごしていませんか。

聞かなくてもわかる。それが以心伝心だ。おもてなしの極意だ。という考えもあるかもしれません。介護のベテランさんで本当にそういう方もいらっしゃるでしょう。しかしそうなるまでは、やはり聞いてみることです。ただし、ずけずけとなんでも聞けばよいということではなりませんので、デリカシーをもって個別の配慮をお願いいたします。

それから、次に良く観察してみることです。顔色やしぐさに、不快感が表れていませんか。目の動きにも注意してみましょう。

さらに、自分だったらと置き換えて考えることも大切です。相手の身になって、想像してみましょう。

相手の気持ちを想像する

想像力は、日常生活の中で体験をしたり見たり聞いたりすることで育まれていきます。

散歩をする、買い物をする、本を読む、仲間とおしゃべりをする、等々、色々なものに触れ、たくさんの人との出会いが、発想の幅を広げます。
相手への気遣いは、想像力をもって色々な角度から物事を見ることがベースにあります。
想像力を働かせて、色々な見方をするワークショップをお勧めします。

ワークショップ用の書き込みシートをデイサービス生活相談員ネットワークのHPからダウンロードできます。ご活用ください。

次回は、「和を保つ協調性」です。キーワードは「報連相」。情報共有は必須な職場、正確に速やかに伝えることが大事です。お楽しみに!

ワークショップ用記入シート(PDF) 

<ワークショップの答え>
SENW   South(南)East(東)North(北)West(西)
AABBO   血液型 A AB B O
8760   365日×24時間

【第4回】和を保つ協調性

(2016.6.10配信)

キーワード:報連相

介護は一人の利用者に対して、介護職員や看護師、理学療法士など複数の職種が関わるチームケアーです。密なシフト調整や情報共有が欠かせません。切れ目のないケアーを行うために、他の職員の動きもある程度把握し、漏れのない情報伝達を行う必要があります。

報連相という用語が良く聞かれます。報告・連絡・相談ですね。漏れのない情報伝達を行うためのスローガンのように使われています。

報告は、上司や先輩職員の指示や命令に対して、経過や結果を知らせることです。

連絡は、進行中の業務について、経過や進捗の事実を知らせて情報を共有することです。

相談は、判断に迷ったときに、アドバイスを求めることです。

時の流れで言えば、報告は過去のこと、連絡は進行中のこと、相談は未来のことになります。どれも複合的に行われることなので、無理にどれかに当てはめる必要はありません。とにかく、情報を「伝える」ことを心がけましょう。

報連相

口頭だけではなく、大事なことは文字に残すことも大切です。最近はICT(スマホやタブレット等)も活用して漏れのない情報共有が行われていますが、誰にでも送っておけば間違いないということではありません。一斉配信などで伝わってきたことは、責任感が薄れしっかりと中身を把握しないで読み飛ばす恐れがあります。また個人情報に関わるようなことをむやみに誰にでも伝えることは慎まないといけません。

どの範囲まで情報を伝えるかもルール作りをしておくことをお勧めします。

本当に大事なことは、対面で、お互いの理解を確認しながら行うようにしましょう。

介護の現場では、ほんの少しの気持ちの行き違いが、思わぬ事故につながる危険があります。チームケアーの機能を最大限に発揮するために、全員が協調性をもって積極的に関わることが大切です。

職員同士の人間関係は、職場の雰囲気も一変します。
職員同士の仲が良く笑顔の絶えない職場は、利用者のとっても楽しく居心地の良い空間になります。
逆に、職員同士が怒鳴り合ったり無視したりして険悪な雰囲気になると、利用者は自分のことのように傷つき気を遣うようになります。利用者が職員の顔色をうかがうようなことをさせてはいけません。

より良いケアーを行うために意見を出し合うことは大切です。しかし熱心さが嵩じて険悪にならないようにしましょう。まずは人の意見を聞く。そして、話の真意を理解したうえで、自分の意見を言うことが大切です。
コミュニケーション技術で言えば、イエス、バットです。いったんは肯定的に受け入れて、そうではないと思うことだけを自分の意見を述べるということです。最初から反論して責めるようなことは何の解決にもなりません。

建設的な意見が出し合える、風通しの良い職場づくりが望まれます。そして、情報の上手なバトンワークで、円滑なチームケアーを期待しています。

ワークショップ用の書き込みシートをデイサービス生活相談員ネットワークのHPからダウンロードできます。ご活用ください。

ワークショップ用記入シート(PDF) 

【第5回】感情を制御する理性

(2016.7.10配信)

介護職は、人に直接触れる身体介護や身の回りの生活支援など、対象の人に直接かかわって援助を行う「対人援助職」です。
医師や看護師などの医療職や、教師や保育士なども「対人援助職」に含まれますが、生活全般に関わる介護職は特に密な関係性の中で対人援助を行っています。

職員が行う介護サービスそのものが言わば「商品」です。介護職員の接し方が、サービスクオリティに直結すると言えます。そのため、いつも笑顔で優しく接することが求められ、職員自身もそのことを強く意識して心がけています。

介護の職場には、色々な価値観や背景をもった利用者がいます。個々の状況に合わせて臨機応変な対応をしなくてはなりません。また、介護職のほかにも看護師、理学療法士、事務職員など様々な職種の職員が働いています。また事業所内だけではなく、利用者家族やケアマネジャーなど、外部の人たちとの接点もあります。
すなわち、流動的な人間関係の中で日々の業務をこなしていかなくてはなりません。コミュニケーション能力はもちろん、臨機応変な機転の利く対応力も必要です。

そんな人間関係のルツボともいえる状況の中、介護職員にはお客様である利用者の意向を尊重し、かつ安全を確保するという絶対的な命題があります。
介護職は、身体的にも精神的にもハードな仕事です。時にはやりがいを越えたプレッシャーを感じることもあるでしょう。自分の感情を押し殺し、ストレスがたまることもあるかもしれません。「我慢」という表現さえ、プロの名の下にははばかられるのが現実です。福祉に携わる者としての当然の心得として、厳しく指導されていることと思います。

「対人援助職」は、自らの感情を制御することが求められる仕事なのです。

介護の仕事というと、入浴介助や排せつ介助などの身体介護を思い浮かべる人が多く、体に負担がかかる肉体労働というイメージを持つ人が多いと思います。しかし実は、保険請求のための書類作成や、介護計画作成など、頭脳労働も少なくありません。
一般的に労働というと、肉体労働と頭脳労働に大別されますが、最近はこれに加えて「感情労働」がクローズアップされてきました。

3つの労働

感情労働とは、自分の感情を制御することそのものが労働という考えです。笑顔の対応が求められる受付や接客、クレーム処理などがあげられますが、介護職も感情労働である側面が多いと言われます。
どのような状態の利用者であっても、高齢者の尊厳を守り、個人の意思を尊重することが原則で、介護職員はその価値観やペースに合わせなければなりません。
介護職員も感情のある人間ですから、自らの感情制御も負担が大きくなると、燃え尽きてしまう危険性があります。そうならないために、どうバランスを保つかが課題です。

理想を言えば、メンタルがタフで何事にも動じないことが一番です。そした福祉の道を志したからにはその覚悟で取り組むべしという声もあります。
しかしなかなか理想通りにはいきません。人手不足という問題もあり、感情制御ができている職員ばかりを採用するのは難しいのが現状です。

  • 利用者への気遣い
  • 職員間の人間関係
  • 家族からの苦情対応

その他さまざまな人との接触で、介護職員は疲弊しています。日々プレッシャーとの戦いで、そのエネルギーはどこかへ放出しなくてはなりません。

アンガーマネジメント

では、どうしたら上手に感情をコントロールできるようになるか。
そして、ロボットではなく一人間として、利用者に質の高いサービスを提供することができるか。

感情は爆発させてはいけませんが、抑え込み過ぎてもいけません。前者は他人を傷つけ、後者は自分を傷つけます。優しく思いやりのある職員ほど、バーンアウト(燃え尽き症候群)する傾向にあります。そうならないために、アンガーマネジメント(感情制御)のコツを学び、日々実践することが大切です。また、職員個人ではなく、チームで取り組むことが何より大切です。

職員個人では限界があります。事業所の体勢として、働きやすい職場づくりが必要です。協力する体制を、精神論ではなくルールとして作ることが有効です。

  • 情報共有のルールを作り、伝えた伝えないのもめ事を回避する
  • 働きがいを感じ、介護職としての誇りを持つ公平な評価制度
  • 完全にリフレッシュできる休憩場所の設置
  • 同じ人に同じ仕事を任せきりにしないルールづくり

感情の昂ぶりを鎮めるための、「おまじない」は効果があります。
カーッとなったら、深呼吸をして8秒数えよう。などといいますが、ただ8秒待つというのは案外長いものです。昔の人は、呪文の言葉を3回唱えるなど工夫をしました。
どんな言葉でも良いのです。好きな花の名前を5種類言うとか、ポジティブな気分になれる言葉を用意しておいて、イライラしたら心の中でつぶやくようにしてみてください。

プライベートで気分転換ができる居場所をつくる
趣味でも勉強でも、職場以外に居場所を作ることをお勧めします。仕事で疲れて趣味を持つ余裕もないという方もいらっしゃるかもしれません。
何かささやかな、例えばお気に入りのカフェを見つけるとか、図書館で本を読むとか、日常生活の中で意図的に環境を変えてみてください。

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【第6回】不快感を与えない接遇

(2016.8.10配信)

キーワード:受容

接遇は、言葉の意味としては

  •   ふれあうこと
  •   もてなすこと

と、学んでこられたと思います。

今や介護の研修に接遇は不可欠で、利用者や家族に「不快感を与えない」ことが求められています。サービスそのものの技術は高くても、気持ちよく受け入れてもらえなければその質は高いとは認められません。

例えば、床ずれ予防の体位変換などでも、ただ手を動かしてやればよいというものではなく、驚かせないように笑顔で声を掛けながら行うのは当たり前になっています。笑顔で接することも、介護の仕事の一つの要素になっているということです。

その他、すべての業務において、相手に不快感を与えないような接し方が求められます。介護における接遇は、この「不快感を与えない」ことが第一目的になります。

美しいお辞儀とか、優雅な身のこなし方よりも、介護においては大切なことがあります。

それは、「受容」です。受容とは、相手を受け入れることです。

  • ここにいても良いですよ
  • あなたのことを見守っていますよ

事業所や施設に来る高齢者は、自宅ではない場所にいることを不安に感じています。
なんだか居心地が悪い、落ち着かない気持ちでいる高齢者に、安心していただくことが第一歩です。

その不安な気持ちを理解し、温かく接することが介護に求められる接遇です。

さて、接遇とは具体的にどのような要素や行動があるか、整理してみましょう。

  • 思いやりの心
  • 挨拶
  • 身だしなみ
  • 言葉遣い
  • 立ち居振る舞い(所作)
  • ビジネスマナー

一般企業の接遇研修などでは、名刺の受け渡し方や応接室での座る位置など、ビジネスマナーを学ぶものが多いです。

今回は「思いやりの心」に絞ってお話しします。
思いやりの心とはどういうものか、下記のような項目を上げてみました。

  • 受容  相手の存在に気付き、相対する
    無関心(ネグレクト)は最大の刃。自分は担当外だから関係ありませんというのはNG
    です。
  • 敬意  相手を尊重し、子ども扱いしない
    意思疎通が難しい人に対しても、経緯ある態度で接することが大切です。
  • 傾聴  相手の話をよく聞き、対応を後回しにしない
    何気ない一言の「ちょっとお待ちください」は、拒絶されたととらえられることもあります。まずは聞くことが大事です。
  • 観察 相手が望んでいることを察する
    勝手な思い込みで対応しないように注意しましょう。自分の意見を言うのではなく、なぜそう思のか、どうしたのかを先に聞きましょう。
  • 意思表示 相手に気持ちを伝える
    ちゃんとあなたのことを見ていますよ、気にかけていますよという事を、言葉で伝えることも大切です。分かり切っていると思うようなことでも、しっかり伝えて安心させてあげましょう。

介護の接遇

思いやりは相手の立場にたって考えることが基本です。自分がされたらいやだなと思うことはしない。当たり前のことですが、「無視する」「何もしない」というのも嫌なことです。ネグレクトにならないよう注意しましょう。

次回は、「見た目」についてお話しします。第一印象はとても大事です。
美しさとかではなく、清潔感のある服装などについて一緒に考えてみましょう。

ワークショップ用記入シート(PDF) 

【第7回】清潔感のある服装や所作

(2016.9.10配信)

~ 清潔感のある服装や所作 ~

キーワード:第一印象

初対面の相手の印象は、約6秒で決まると言われています。

短い時間で大きく印象付けるのは、

  • 見た目
  • 態度
  • 話し方
  • 話の内容

・・の順だそうです。

たったの6秒ですから長い会話はできません。パッと見の印象がほぼすべてといっても良いでしょう。

一度持たれた第一印象を挽回するには、その後相当な努力が必要になります。ですから、最初からできるだけ好印象を持ってもらったほうがオトクです。
仕事においては、プロとして職場にいる限り、事業所の顔であるという自覚を持つことが大切です。あなたが見本であり、あなたが顔です。対外的には、職員一人一人がその事業所の顔として見られます。

第一印象を決めるおもな要素

1.服装や表情
服装については、個性を尊重して何を着ても良いというのはプライベートでのことです。ある程度気心が知れてどのような服装やふるまいでも、その人の個性として受け入れるようになるまでは、相手に不快感を与えるような身なりや振る舞いは慎んだほうが良いでしょう。
特に服装はその人の意識や考え方が透けて見え、単なる見た目だけではなく内面的な部分も判断されてしまいます。

介護の職場では、衛生管理が第一です。そのため、清潔感は必須です。しみがついていたり、しわくちゃでよれよれになっていたりしていませんか。臭いがするほど洗濯もしていないというのは論外です。
また、先のとがった付属品や絡まりやすいひも状のデザインなど、機能的に安全面を考慮したものである必要があります。
危険な服装は、高齢者の介護にはふさわしくありません。おしゃれはプライベートの時に楽しむようにしてください。
髪型も短くカットするか、長い髪は結ぶなど、髪の毛が抜けて落ちることのないような配慮が必要です。髪の色を染めるのも、あまり華美なものは控えたほうが良いでしょう。
派手というよりも、清潔感が感じられない色は、やはり相手の信頼感を失うことにつながります。

パッと見の印象として、服装以上に大きいものは表情です。最初の笑顔は、そのあとの何よりも好印象に残ります。初対面の相手とは緊張から固い表情になりがちですが、少しでも笑顔になれるよう日頃から心がけましょう。

2.態度
表情と連動して、姿勢や立ち居振る舞いは、その人本来のキャラクターを表すものです。ちょっとした油断で後々まで悪い印象を持たれるのは残念です。注意しましょう。
無くて七癖といいますが、貧乏ゆすりなどの癖も相手には良い印象を与えないので注意が必要です。
ポケットに手を入れたままや、靴のかかとを踏むなど、学生気分が抜けないような態度はいけません。人の話を聞く姿勢というのは、表情にも態度にも表れます。

3.話し方
話し方は、決して流ちょうに話さなくてはいけないという事ではありません。明るく、はきはきした声は、聴いていてとても気持ちが良いものです。何を言っているか分からないような小声で、ボソボソ話をされても聞くほうはイライラしてしまいます。

4.話の内容
第一印象を決定づける6秒には入らないかも知れませんが、話の内容も重要です。言葉遣いや、言い回しなど、日頃の癖も出てしまいますから、きちんとした日本語が使えるように勉強することも大切です。会話の中身も難しいことを話せという事ではなく、人のうわさ話や、悪口ばかりでは、品性に欠けると受け取られます。どのようなことを話題にするかで、その人の興味の対象が分かります。気を付けましょう。

人は見た目も大事です。それは美醜ではなく、気持ちの表れでもあるからです。自分の個性を追求したファッションは、行き過ぎると自分の考え方の押しつけになりかねません。

ケアマネさんを訪問する時などは、汗をかいた服装のまま「ついでに」来ましたという印象を与えていませんか。服装は相手に対する礼節です。自分を良く見せるためではなく、相手をいかに大事に思っているかの表れになります。

相手への敬意があれば、おのずときちんとした服装、きちんとした態度になるはずです。だらしない服装、だらしない態度は、相手をその程度にしか思っていないと取られても仕方のないことなのです。

ファッションなどは、好みもありますし、自分としては最大限礼儀をつくしたつもりであるかもしれません。多少の許容範囲はありますが、ある程度標準的な価値観を知っておくことはとても大事です。

次回は「規律を守る」ことについてお話しします。

【第8回】規律を守る実直さ

(2016.10.10配信予定)

キーサード:コンプライアンス

「規律を守る」というと、堅苦しくて嫌だなあと思われますか。
確かに、制度やルールといったものは、面倒に感じるものです。しかし、一度決めてしまえば、それを守りさえすればよいので、逆に楽な場合もあります。

規律は、様々な価値観や解釈の違いを整理して、一定の基準で作られた決まりです。集団の秩序を維持することが目的です。

規律違反は、その基準を無視する行為ですから自分勝手な行為と言えます。時には納得がいかない規律もあるかもしれません。ですが、決められている以上は守ることを第一に考えましょう。それが社会人としてのルールです。

規律や規則、ルールなど、ものごとの「決まり」を意味する用語は色々ありますが、規律には秩序を守るという精神的な正しさを求める響きがあります。

  • 規 律・・ものごとの正しい順序や筋道を守ること
  • 規 則・・合理的に解決するための決められたルール

介護保険制度下の介護事業は、特に法令順守が求められます。法令順守(コンプライアンス)とは、法律や決められた規則、社会的通念を守ることです。社会通念とは、一般的な常識や考え方です。明文化された規則ではなくても、社会常識を守ることが求められます。
介護保険制度は、公費で賄われている事業であり、様々な決まりや制約があります。法令遵守は仕事をするうえで必ず守るべきことです。

「コンプライアンス」と対で使われる用語に「エビデンス」があります。エビデンスとは、「根拠」という意味です。介護保険制度の事業においては、法令を遵守して介護事業を行い、その対価として介護報酬を受け取ります。介護報酬を受け取るには、その根拠を示す必要があります。それがエビデンスです。介護サービスを行うと、たくさんの書類が発生します。ケアプランや経過記録、モニタリング報告書やアセスメント等々。
それらたくさんの書類は、介護サービスを行った証拠書類なのです。それがないと、介護報酬を受け取ることができません。書類が多くて負担に思われるかもしれませんが、それが規則を守るという事です。

  • コンプライアンス・・法令順守
  • エビデンス・・根拠、証拠

コンプライアンスとエビデンス

介護保険事業は、公費サービスで賄われる福祉事業です。民間の事業所であっても、規律を守ることについては厳しい目で見られます。そのことを自覚し、規律を守り、誰に恥じることのない行動を心がけるようお願いいたします。

次回は「信頼」についてお話しします。

【第9回】良識があり誠実な人柄

(2016.11.10配信)
~ 良識があり誠実な人柄 ~

キーサード:信頼

 三ツ星相談員に欠かせない「信頼」について、今回と次回の2回に分けてお話しいたします。

 今回のキーワードは「信頼」、次回のキーワードは「信用」です。

 信頼と信用は、似ている言葉ですが、その違いは何でしょうか。何となく、言葉のイメージとしては、信頼は「目と目を見つめ合って心が通じ合う状態」のような気がしますが、信用は「ビジネスライクな関係」のように受け取れます。

 なんだかいかがわしい人だなと思っても、書類が整っていればハンコを押して契約してしまうのは「信用」。とにかく人柄にほれ込んでハンコを押すのが「信頼」といったところでしょうか。

 あまり良いたとえではないかもしれませんが、その違いをイメージしながら考えていきましょう。

  • 信用は、書類や手続きなど、ルールに則っていることで信じて「任す」こと。
  • 信頼は、精神的に安心して、信じて「頼る」こと。

と、説明することができます。

 信用はビジネスライクで、信頼は心のつながりという感じでしょうか。

 生活相談員にはどちらも大切です。いくら、人柄を気に入ってもらっても、信用に足る仕事をきっちりしなくては、やがてはぼろが出て信頼を失います。その落差が大きいほどマイナスに転じた時の印象は取り返しがつきませんので注意が必要です。

 生活相談員の資格要件として、社会福祉法第19条第1項では、下記のように明記されています。

社会福祉法第19条第1項(資格等)
第19条  社会福祉主事は、都道府県知事又は市町村長の補助機関である職員とし、年齢二十年以上の者であつて、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があり、かつ、次の各号のいずれかに該当するもののうちから任用しなければならない。
人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意がある─そんな人を理想としています。

 誠実な印象を与えるには、口に出す言葉も大切です。ポジティブな言葉を口に出すことで、自分自身の気持ちも良くなり、相手に与える印象も格段に良くなります。

  • ありがとう
  • おかげさまで
  • おきをつけて
  • またあした

 高齢者の方への気配り心配りの一言が、信頼感を一層深めます。

 理想像に向かって精進し、利用者やご家族に信頼される三ツ星相談員を目指しましょう。

信頼と信用


【第10回】偽りのない明快な言動

(2016.12.10配信)

キーサード:信用

 言い訳をしたり、誤魔化したりせず、はっきりと考えや想いを述べることが信用・信頼につながります。そのためには、ミスのない実務処理や説明すべき内容をきちんと理解していることが前提になります。自分の仕事に自信を持っていれば、心からの笑顔で相手に接し、何事も嘘偽りなくはっきり話すことができるはずです。

 今回は、信用していただくために、ミスのない仕事をすること。についてお話します。

 介護サービスの利用にあたっては、何種類もの書類が常について回ります。一度に複数の書類に目を通していただくこともあります。利用者やご家族に二度手間をかけないよう、ちゃんと書類を整え、間違いなく手続きが済むように段取りする必要があります。

 ミスのない実務処理は、「この人に任せておけば大丈夫」という安心感を与えます。信用されることは、次の手続きに入りやすくなりますから、作業効率も良くなります。

【ミスを減らすための10ポイント】

  • メモを取る
     頼まれたこと、気づいたことは、メモに取る習慣を付けましょう。覚えているつもりでも、案外忘れてしまうことも多いです。
  • ToDoリストを作る
     やるべきことを書きだして、取り掛かる優先順位を決める。
  • 見直すことを習慣化する
     確認作業は何度でも。特に、他の人に頼んだことは、頼みっぱなしにしないで、進捗状況などを確認することが大切です。
  • 聞いたことは復唱する
     伝言や依頼は、大事な部分は復唱して確認する習慣をつけましょう。特に電話では、聞き間違いもあり得ます。数字や固有名詞などは特に復唱することをお勧めします。
  • 曖昧な部分はハッキリさせる
     何となくこんな感じ・・というファジーな部分は、ハッキリさせる必要があります。複数の人が関わると、おのおのの解釈が微妙にずれている場合があります。数字化、視覚化などで、ハッキリと共通理解することが大切です。
  • 進捗報告はこまめに
     頼んだ相手は、やってくれているのか気になっているものです。結果だけ伝えればいいやではなく、現況をお知らせすると信用度がアップします。また、その時点でのミスも発見でき、混乱を最小限にとどめることにもなります。
  • 反省をする
     作業の遅れや、ミスなどは、その原因を追究し二度と繰り返さないように予防策を講じることが次につながります。
  • 仕事に優先順位をつける
     忙しい介護の職場では、全員が複数の仕事を常に抱えています。ミスをしないためには、集中して一つの仕事に取り組むのが基本ですが、そうも言っていられない状況があります。職員全員で役割分担をし、生活相談員としてやるべきことを全員に理解してもらうことが大切です。
  • 修正は即対応する
     ミスに気付いた場合は、直ちに修正をしておく。あとでやろう、まとめてやろうでは、必ず放置される部分が出てしまいます。その都度、その都度が基本です。
  • 複数の目でチェック
     大事な書類は、一人だけではなく、複数の目で確認することも必要です。一人だけでは、完璧に仕上げたと思っても、思い込みで気が付かないことがあります。また、数字や細かい文章などは、2人1組で読み合わせチェックも有効です。面倒に思われるかもしれませんが、大切な書類はそこまで入念に確認する意識を持つことが重要です。

 ミスがなくなれば、誤魔化しも不要です。正々堂々と、陰ひなたの無い態度で接することできるように、実務処理はきっちり行えるように努力しましょう。

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【第11回】福祉に携わる者としての誇り

(2017.1.10配信)

キーワード:プライド

「高齢者が尊厳を保ちながら暮らし続けることができる社会の実現を目指して」

 厚生労働省ホームページの介護・高齢者福祉のページの冒頭に掲げられている文言です。介護職員は<利用者第一>で日々業務を行っています。
 日常生活支援や入浴・食事・排泄介助などは、従来は家族が行なってきたことであり、介護職の専門性については残念ながらまだまだ軽視されていると認めざるを得ません。
 介護はチームケアーであり、医療職との連携も欠かせませんが、権限の差に悩んだり、見えない壁に遠慮したり、情報共有の難しさに悩む介護職員もいます。

 制度における福祉は、すべての国民に最低限の幸福と社会的援助を提供するものです。福祉という言葉には、「しあわせ」や「ゆたかさ」などの意味が含まれます。介護職員は、他者の幸せを願い、プライドをもって仕事をしています。

 また、専門職としての誇りもあります。長時間にわたって体系的な知識や技術を学び、エビデンスに基づいた介護サービスを提供することに尽力しています。

介護職の専門性には、下記のような様々な要素が求められています。

  • 個別の状態に合わせた入浴・食事・排泄介助など高いケア技術
  • エビデンスに基づいた介護サービスの提供
  • 家族関係も含めた生活背景を洞察し、高齢者の心理的・肉体的状態を把握
  • 利用者や家族との円滑なコミュニケーションで、信頼関係を構築
  • 他職種との連携で利用者に最適な個別ケア計画の立案
  • 高齢者の行動の意味を理解した見守りや傾聴

 プライドとは、誇り、自尊心のことですが、行き過ぎると、自惚れ、傲慢になるので、注意が必要です。
 プライドが高い人は、自分の意見が一番だと思っていますので、他の人の意見を受け入れない傾向があります。お互いがそう思っていると、正論のぶつかり合いになる危険があります。相手の言い分もよく聞き、自分の非も謙虚に認める余裕がほしいです。

 介護はチームケアーです。スタンドプレーに走ることなく、協調性が大切です。プロ意識をもって仕事の取組み、自分なりに目標設定をしてモチベーションを維持し、何よりも利用者のために力を尽くされることを期待します。

誇り

【第12回】五感を大切にする感受性

(2017.2.10配信予定)
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株式会社スリービーンズ 代表取締役 八久保宜美

東京都中高年勤労者福祉推進員
一般社団法人日本元気シニア総研 元気シニアビジネスアドバイザー
日本生涯現役推進協議会 参与

 孤軍奮闘で頑張っている生活相談員を応援するため当サイトを運営。特に小規模の事業所は、少数精鋭の骨太運営が必須。そのためには顔であり柱である生活相談員の活躍が欠かせません。
 介護の未来を明るくするため、知恵を出し合って乗り切っていきましょう。必ず道は拓けます!